そして・・・・見回りの氷室が来たことを知らせる声が部屋に響き
部屋の電気がすぐに消された
俺は・・・・足元の布団に潜り込み・・息をひそめる

すると・・・俺が潜った布団の足元から
もぞもぞと・・・隠れ場所を求めて潜り込んできた人間が一人・・・・


「きゃっ!ごめんなさい・・・・誰か居たんだ」

小さなその声は・・・だった

「あ・・・じゃ・・私出なきゃ」

そういって・・・布団から出ようとするを・・・
俺はとっさに・・・抱きかかえるようにして引きとめた


「あ!」
「しぃ・・・・・・静かにしろ」

「・・・葉月くん?」
「・・ああ・・俺だから・・・」

「ごめんね・・・狭いよね」
「大丈夫だ・・・・ここにいれば見つからないから・・・じっとしてろ」
「うん」


引き止められたは・・・中にいたのが俺だとわかって・・・
少し安心してくれたのか・・・
身体を俺の腕の中に預けてきた

もっとも・・・・
狭い布団の中で・・・外から見えないように
そう思ったら・・・俺に寄り添うしかないわけで・・・
俺たちは・・・はっきり言って「密着」と言えるような体勢になっていた

不意に訪れた・・・思いもよらぬこんな形での抱擁
の髪から・・・シャンプーの香りがして
俺の鼻をくすぐった

心臓が・・・ドキドキ・・・そう、音をさせ始めるのが・・・自覚できた
の顔は・・・あろうことか俺の胸元に・・・ぴったりとつく格好で
この胸の鼓動を・・・多分聞かれてしまっている・・・
そう思うと・・・俺の心臓は・・・更に大きな音をさせる
本当に・・・どうにかなってしまいそうな・・そんな気がした


「は・・葉月くん」
「え・・・?」
「私も・・・ドキドキしてるよ」

は・・・俺の胸のうちを察したように・・・そう呟いた
俺の胸が熱く鼓動している
そして同じようにの心臓もドキドキと音をさせている
・・・その事実を・・・どう判断したら良いのか・・・

俺は・・・どうしたらいいのか・・
冷静な判断が出来ないままに・・・ただただ・・・
腕の中の・・・の温もりを感じていた



「ふぅ〜、もう行ったみてえだ、出てきてもいいぜ」

見回りの氷室がいなくなったことを知らせる声がして
部屋の明かりがつけられる
俺は・・・の身体に回した腕を離す
布団から出て見た・・・の顔は
これ以上無いと言うくらい・・・真っ赤に染まっていた


「じゃ・・・もう自分の部屋に帰るね」
「あ・・・

俺はに・・・何か言わなければ・・・
ここで・・・何か言わなければ・・・
そう思って・・・を・・呼び止めた

は・・・照れくさそうな頬のままでも、真っ直ぐに俺を見た
俺は・・・心の中から・・・あふれ出る感情を抑えきれなくなりそうで

『好きだ』そう言ってしまいそうで・・・・
でも・・・そんなことを言うわけにはいかなくて・・・・


「おまえのシャンプー・・・いい香りだな」

って・・・わけの解からないことを言ってしまった
は「ありがと」そう小さく言うと・・・にっこりと笑い部屋から出て行った


その晩・・・
と一緒に隠れた布団の中で・・・
何度も何度も寝返りを打っている俺がいた

布団の中で味わった・・・胸の高鳴り
腕の中のの温もり
シャンプーの香り
それを・・・思い出しながら・・・悶々と夜を過ごしていた


『私も・・・ドキドキしてるよ』

その言葉が・・・何度も頭の中で繰り返された


窓の外で小鳥が鳴き始め
新しい朝が始まった


とりあえず・・・
徹夜で過ごしたまま・・・と一緒に自由行動なんだな・・・俺
そう思うと・・・なんだか自分が可愛く思えた

もうすぐ・・・
待ち合わせのロビーで
俺は・・・こうおまえに声をかける


「おはよう・・・・




END

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